11月24日公開初日 舞台挨拶レポート

11月24日(土)から渋谷ユーロスペースにて『阿賀に生きる』の公開が始まりました!
朝早くから多くの方にご来場いただきました!
公開初日ということで、今作に出演された旗野秀人氏を新潟から招いて舞台挨拶を行いました。
水俣病患者の権利保護運動などを行っている旗野氏は今作への思いと、長い間係わってきた水俣病患者の方々に対する思いを語ってくれました。

 

 

 

 

 

 

 






旗野秀人氏(以下旗野):今作を東京で上映して頂き本当にありがとうございます。まさか20年ぶりにこの作品が上映されることになるとは思ってもおりませんでした。20年前に六本木で公開された時の感激を今でも覚えています。今作は本当に奇跡のような映画でして、目に見えないような大きな力が働いて完成できたのだと思います。

 

旗野:佐藤真監督と出会ったとき、私は水俣病の未認定患者の人たちと10年以上の交流がありました。裁判など多くの事柄に係わっていましたが、「どうして水俣病にかかってしまった“人生の達人たち”の想いが、“運動”を通すと世間に伝わらないのか。」と、非常に歯痒い思いをしていました。患者さんたちは、この病気がいかに大変なものでも泣いたり「辛い」と口にすることなく、“病気を抱えていても生きていくこと”がとても大事なのだと理解しておりました。けれど支援者にこの病のことを訴えていくうえで、理想の患者像というものを作り上げなければならない状況がとても辛かったです。例えば水俣病患者の方が歌を唄うときは涙ながらに歌ってほしいと。そういったことに違和感を感じていました。私は「水俣病患者の人たちはしっかり生きているんだ」と世間に伝えるためには運動だけでは足りないと思うようになりました。そんな時に佐藤監督と出会い、私や患者さんたちのことを本当によく理解してくれました。当初、患者さんたちのことを世間に伝える方法が“映画”がいいのだと考えていたわけではありませんでしたが、今思うと“映画”として皆さんに観ていただけて本当によかったと思っております。今作は佐藤さんやスタッフの皆さんが育ててくれた映画なんだと心から思います。

 

旗野:私はこの映画はお地蔵さんのような存在だと思っています。地域に問題が起こったときなどにお地蔵さんを建てますが、この映画も同じように長い間多くの人に見守られてきました。是非、今日来て下さった方々は家に帰って家族に薦めていただき、もう一度みんなで観ていただければと思います。今日は本当にありがとうございました。

 

※旗野秀人さんは12/8(土)、12/9(日)にも来場が決まりました!

もっとお話を聞きたい方は是非お越しください。

 

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投稿日 : 2012年11月26日 月曜日